「どんな仕事に就けばいいんだろう?」
これは、仕事をする人にとって、永遠のテーマと言えるものかもしれませんね。
私は、ご縁があって、いろんな会社を経験させていただきました。
すでに転職は難しい年齢に差し掛かっていますが、今でも「うちの会社に来てください」と言ってくださる会社もあり、今までも、転職先に困ったことはありません。
多くの会社にお世話になる中で、「入れば自分も相手も幸せになれる会社」、「入っても相手も自分も不幸になる会社」が、朧げながら分かってきました。
転職(今の会社の退職→新しい会社への入社)は、大きなストレスを伴う行為ですよね。
できれば避けたいと思うのが、多くの方の気持ちではないでしょうか。
それでは、どんな観点で会社を選んだら良いか、私の経験をもとにお話をしてまいります。
ありがちな仕事の選び方
理系の大学に進んだりして、何か専門分野があったり、医学部や薬学部など、専門の学部に進んだ方は別として、文系の学部に進んだ人は、どんなふうに就職先を選ぶのでしょうか。
思うのですが、「会社の規模や知名度で選ぶ」という人も多いのではないでしょうか。
私の好きな経営学者の楠木建さんは、学生の就職先人気ランキングを指して、「ラーメンを食べたことがない人のラーメン屋さんランキング」と称しておられましたが、まさにその通りではないかと思うのです。
私が大学四年生の頃は、陰りが出てきていたとはいえ、まだバブルの余韻が残っていた頃。
私が通っていた大学は、望みさえすれば大手企業に難なく入ることができる環境でしたので、多くの学生が、有名企業・大企業を志望していました。
同じ業種でも、業界1位から順番に受けていく人もいましたし、ひどい人になると、大手商社で内定を取った後に、精密機械の会社を受け続ける人もいました。
年収や会社規模で会社を決めるのは、婚活に例えると、「年収や勤め先で相手を選ぶ」ようなものではないでしょうか。
そういう方は、相手がリストラされたり、転職したりしたら、どうするのでしょうか?
「私は◯◯にお勤めのあなたと結婚したので、離婚させていただきます」となるのでしょうか。
会社とて、いつどうなるかわかりませんし、長年同じであり続けることの方が珍しいのでは無いでしょうか、、、?
年収や勤め先で結婚相手を選ぶと、変動のリスクが大きいのと同様に、年収や会社の規模などのみで就職先を選ぶのは、実はとってもリスクの大きい選択ではないかと思うのです。
では、どうすればいいのでしょうか、、、、?
賢い会社の選び方
これは、「結婚相手」を選ぶことを考えると、分かりやすいのではないでしょうか?
もしも、自分に近しい人が、「結婚相手を選ぶのに、何を基準に選んだらいいですか?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょうか?
意見はいろいろあるにせよ、多くの人が「人柄」と答えるのではないでしょうか。
もちろん、ろくに勉強も仕事もしてない人を相手に選ぼうとするなら、反対する人が多いでしょう。
そういうものも含めての「人柄」です。
人間ですから、「相性」もあるでしょう。
まとめると、「人柄同士の相性」となるのでしょうか。
結婚生活となると、いいことばかりではありません。
長い期間の間には、困難に出会うこともあるでしょう。
その時に手を取り合って、一致団結して一緒に乗り越えていけそうな相手か。
ここが一つのポイントになるのではないかと思います。
これ、会社でも一緒ですよね。
長い間事業を続けていれば、順境ばかりではありません。
思わぬことで、逆境に晒されることもあるでしょう。
その時に、「この会社のためなら」と踏ん張れるか。
そんな会社を選ぶのがいいと思います。
では、どうしたらそんな会社に出会えるか。
「人柄」や「性格」を会社に例えると、「社風」や「理念」ということになるのでしょうか。
なぜその会社が社会に産声を上げたのか。
どんな考えで、事業を展開しているのか。
社員については、どう考えているのか。
そう言ったことに目をやってほしいのです。
「社風」や「理念」は、どんなところに現れるのか。
それは創業者(社長)の「キャラ」ではないでしょうか。
ですから、就職するときには、「社長」のキャラに注目して欲しいのです。
「この社長の下であれば、自分を頑張れるのか」を基準に考えてみてください。
私の実例
私は、かなりの数の会社を経験してきました。
転職するには、それなりの理由もあったのですが、数多く転職した中で、唯一私が後悔しているのが、最初に勤めた塾です。
そこの社長は、心が温かく、私はその人柄も大好きでした。
今思うと、「なぜ転職してしまったのだろう」と思います、、、。
本当に、「若さ故の過ち」としか言いようがありません。
その会社を退職してから、25年以上が経ちますが、いまだに私から年賀状を送っております。
「あの社長の元でずっと働けたら、どんなに幸せだったか、、、」と思います。
次に、全国展開のハウスメーカーですね。ここは、社長のキャラというよりも、会社の雰囲気が好きでした(そういう雰囲気を、創業者が作ったのだとは思いますが)。
「梁山泊」と言って、野武士集団のような、個性を尊重する風土がありました。
今で言う、「ダイバーシティ」ですか。
そんな会社も、どんどん規模が大きくなると、銀行出身の人が社長になったり、聞き分けのいい(管理しやすい)のっぺりとした新卒重視になって、ちょっと寂しくなりました、、、。
もう一つが、収益用不動産をプロデュースする会社。
ここは、社長が大阪出身の人で、とにかく懐が深く、面白かった。
私が入社するときには、社員はまだ一桁台で、2LDKくらいの分譲用マンションをオフィスがわりにしてやってましたが、あれよあれよと大きくなって、オフィスビルに移って、社員も百人近くまで増えて、もう少しで上場、というところまで行きました。
市況が変わり、親会社に吸収されるようになってからは、社内文化が変わってしまい、とても寂しい思いをしました。
そういう意味では、「社風」も時代とともに変化するものですから、当てにならない、と言われてしまいそうですが、、、。
それでも、少なくとも在籍した間は、上記三社は好きでした。
何が残るのか
上記3社ともに、高待遇で、満足なお給料をいただいておりました。
金銭面でも恵まれていたことは否めませんが、、、。
もし、給料が他社とそれほど変わらなくても、やはり、私が上記3社を好きであることには変わりがないと思います。
逆にいうと、「好きだから」それなりに稼げるほどに、頑張れたのだと思います。
どんなに長く勤めたとしても、会社勤めはいつか「終わり」が来ます。
そのとき、あなたの心に残っているものはなんでしょうか。
仕事に熱心に打ち込んだ記憶、会社を「愛した」記憶ではないでしょうか。
生きていく上で、もちろんお金は必要ですが、お金は人生を楽しむ「手段」であって、「目的」ではないはずです。
私がお勧めする会社の選び方。
「自分が愛せる会社を選びなさい」
「社長のキャラが好きな会社を選ぼう」
ということです。
参考になれば、とても嬉しいです。
Espera
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